連載コラム

星の見晴らしほしはな ちびぐるみ〜12星座の旅〜ハーバルアストロロジーお問い合わせ

エンジェルウィスパーネットショップASTERIDEA BLOG

星*花メッセージ

こちらのコーナーでは 毎月の星の動き・星座のコラム、エンジェルメッセージをUPしてまいります。

星の動き・星座のコラムは 男性占い師ユニットNOT FOR SALEメンバーのSugarさんに、エンジェルメッセージはドリーン・バーチュー博士公認エンジェルセラピー・プラクティショナーⓇのMomokoさんに毎月更新していただく予定です。 お楽しみに!

 

【星の見晴らし】〔その2〕

NOT FOR SALE Sugar

という訳で、以下さらに3つの惑星ポイントを、それぞれが位置するサビアンシンボル(1度ごとに与えられたイメージシンボル)を考慮した上で大まかに説明してみます。

 

・牡牛座10度(ナース)の金星・木星
金星と木星の組み合わせは、純粋で何のひねりも加えていないどストレートな自己アピールや、領域横断的な幅広い交流の拡大を表わしていますが、これが牡牛座10度にあると、そうした働きかけの末、やっと手に入れ確保した小さな幸せがまた崩れてしまうのではないかという怖れを少なからず抱いてしまうことを意味します。

それでも、自分がなんらかの安定や安心の恩恵を与えられているのは、誰かがそれを与えてくれたからに他ならない、という「贈与の精神」が自分の中で働いた時、その怖れは克服されてくるでしょう。自分が救済されるために、どんなことが必要で、それに対して自分は何をし、何を与えられてきたのか。そうした一つ一つの具体的な体験や事例を伝えていくことが、精神的にそして実際的に、人を助けることがある。そうした贈与に対して贈り物を返すナースとしての奉仕する喜びを、自分の身を崩さない程度に味わうことがこのポイントのテーマとなっています。

・乙女座10度(しっぺ返し)の火星
上記の金星・木星はどこかイージーゴーイングで無駄の多いところがありました。そこに乙女座の火星が加わってくると、まるで職人のメスさばきのように、膨張した交友関係や贈り物の中に混じる不要なものや有害な要素を除去しようという意志が加わって、無駄が削られていきます。ただそれは乙女座10度では、自分の分を大きくこえるような無理をすれば、必ず自分のダメな部分や認めたくない一面が腫瘍のようにふくれあがって、健康体としての自分が病魔に侵されてしまうという怖れを示しています。

しかし、それはあくまで自らの日頃の過ごし方や生活態度へのしっぺ返しであり、病魔もまた自分なんです。これは自らの負の側面を冷静に受け入れ、理解するだけの客観性を持つことでやがて克服されていきます。自分にしかできないことを考えるのと同時に、自分には決してできないことをきちんと把握し、それを自分で抱え込まず、人に頼んだり、断ることも覚える。そうして自分や物事のいい面とわるい面の両面をしっかり捉えることができるだけの明晰な判断力を育み、その上で分を弁えることが、このポイントでのテーマと言えるでしょう。

・山羊座10度(人間からエサをもらおうとする野鳥)の冥王星
冥王星は「死と再生」というイメージが当てられ、しばしば破壊や暴力などあまりよくない意味で捉えられがちですが、その本質は「リミッターが外れる」ということです。従って一度発動すれば現状維持をはかる安全装置がスコンとどこかへいってしまい、行き着くとこまでいってしまう。その結果、生きているという様を、それを続けている態度をストレートに見せ(金星・木星)、自分じゃできないこと・やってはいけないことを決断し除去する(火星)というサイクルにいわゆるPDCAのP(プラン)がなくなるんですね。より正確には、考えてみたけどやっぱりやめるというプロセスがぬけ、とにかく動く、必死に働く、それこそ「餓え死に」するんじゃないかと思われるくらい立ち止まらず動きまわる。

そしてこの冥王星が山羊座10度にあるとき、そこにはこのままのんびりしていたんじゃ家族や仲間がもたないという危機感に近い恐怖心が底にうずいていることを示しています。たまに飢えた熊がエサを求めて、人里におりてきますよね。あれも、大変な恐怖を伴う行動だと思いますが、野鳥というシンボルの場合、人間というまったく何をされるか分からない異質で未知の相手に、エサをもらいに交流しにいくわけですから、その恐怖たるや相当なものだと思います。

ちなみにこの野鳥とは、正確にはアホウドリなんですが、彼らは一夫一妻性で同じつがい相手と同じ巣場所で毎年1回しか繁殖せず、しかも一生相手を代えないことで知られています。つまり未知の世界にいきる相手と交流しにいく恐怖を克服させるものは、鳥を代表して一族を養わなければという同族愛なんです。つまり個人の飢餓感で暴走するのではなく、あくまで分け合うために依存する勇気をしぼり出す、それがこのポイントのテーマなんですね。

 

まとめ

ここまでグランドトラインの明と暗、態度経済という言葉、3つのポイント間の作用、そして怖れの克服プロセスについて述べてきましたが、ここでもう一度、城門の問いを思い出してみてください。

城門はなぜあるのか、守るべき財産とは何か?

自らの内に潜む宿痾をあぶり出しつつ、贈与に対して奉仕する義務を果たさんとし、仲間や家族と分け合うために外へと飛び出して、もう一度信頼の上での社会や自然とのつながりを取り戻す。こうした今回のグランドトラインの紡ぐストーリーを俎上にのせた上で、ぜひ一度、3分でもいいので、自分に問いかけてみてほしいと思います。

ここで白状すれば、ちょうど一年前、僕はブログ上で、戦時中に書かれた坂口安吾の『日本文化私観』を引用しながら、「京都の寺や奈良の仏像が全滅しても困らないが、電車が動かなくなくては困るのだ。我々に大切なのは生活の必要だけ」であり、そうした「やむべからざる実質」が求めたところの独自の形態こそが美をも生むのだという、彼の言葉を咀嚼していたつもりでしたが、今回のグランドトラインではまだまだそれが出来ていないことを思い知らされました。

社会的なムーブメントを司る木星は昨年の6月から今年の6月11日まで牡牛座を運行しています。牡牛座のテーマは、自分にとって真の意味で「いのち」を味わえる生活とは何なのか(あるいは、どこで食と性とが適切に交わることができるか)。今回のグランドトラインは、木星がいま牡牛座にあるということの意味を、改めて投げかけてくれているのではないでしょうか。

 

sugerSugar(シュガー)
1983年7月31日生。慶應義塾大学哲学科卒業後、ベンチャー企業の営業職を経て、より多くの人に占星術の面白さを伝えるべく、占い師の道へ。現在、対面鑑定・講座・執筆などを中心に活動中。男性占い師ユニットNOT FOR SALEメンバー。

 

WEB Site “astro-ragus”  http://astro-ragus.com/