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こちらのコーナーでは 毎月の星の動き・星座のコラム、エンジェルメッセージをUPしてまいります。

星の動き・星座のコラムは 男性占い師ユニットNOT FOR SALEメンバーのSugarさんに、エンジェルメッセージはドリーン・バーチュー博士公認エンジェルセラピー・プラクティショナーⓇのMomokoさんに毎月更新していただく予定です。 お楽しみに!

 

【星の見晴らし 冥王星・天王星を通して見る60年代といま今後】

NOT FOR SALE Sugar

 

カーディナルクライマックスはこれからが本番

リーマンショックの起きた2008年秋以降、日本を含めた世界各国が着々と大恐慌に向け歩んでいるような印象しか受けませんが、それは経済だけでなく星模様の方でもそう変わりません。

既に様々な占星術家の方々が述べているように、天ではちょうど2008年から2015年まで、「カーディナルクライマックス」という非常に稀かつ過激な配置がつくられます。これは土星以降の動きの遅い天体が、物事の変化が活発化するカーディナルサイン=活動星座(牡羊座・蟹座・天秤座・山羊座)に集中し、それらの天体同士が二等辺三角形や四角形など、何らかの図形をつくっている配置の名称で、しばしば経済的な大変革を伴うとされています。

日本でも、近年の不景気に加え昨年起きた東日本大震災+原発問題が追い討ちをかけるかのような事態となっている訳ですが、ところが、このカーディナルクライマックスは今月からがいよいよ本番なんです。

というのも、予期せぬ変革を引き起こす「天王星」と、根本的なレベルでの破壊と再生をもたらす「冥王星」がはじめて正確に90度の角度を取るという、全ての惑星の組み合わせの中で最も激烈な配置が形成されるから。これは冥王星が発見された1930年以降では二度目の事態であり、2012年6月24日から始まって、2012年9月19日、2013年5月21日、同年11月1日、2014年4月22日、同年12月15日、2015年3月17日と、計7度繰り返されます。しかも一回の会合あたりの影響が前後数ヶ月続きますから、実質的には約3年間かけて影響し続けていくことになります。

「革新と核心」、「突然の閃光とともに走る稲妻と窯変を思わせる神秘的な変容」、あるいは「革命を起こそうとする反逆者と圧倒的な力をもつ独裁者」(いずれも天王星/冥王星)が、互いを打ち倒さんばかりに激しくぶつかりあおうとする組み合わせですが、まず、それぞれの星ごとに説明を加えてイメージを膨らませておきたいと思います。

天王星と冥王星について

まず天王星。こちらはもともとアメリカの独立革命やフランス市民革命に前後して発見されており、そのため天王星は過去の限界から私たちを解き放つ働きをもつとされる星とされてきました。ただし、ここのところ原発問題のキーワードとして「プロメテウスの火」という言葉がメディアなどで使われるようになってきたように、天王星は革命と解放をもたらす一方で、原子核物理学のように多大なリスクを伴うものの象徴であり、気狂いのような逸脱の原理でもあります。奇しくも、東日本大震災が起こったのは天王星が現在も入っている牡羊座へ移った日でしたが、あの日以来、日本人はたえず「目を覚ませ、私たちは変わらなければいけない」と語りかけられているような状態です。つい先日の6月22日にも、首相官邸前で原発再稼動に対するデモが行われ、4万人以上の人が集まりましたが、これを革命への歩み出しととるか、熱狂主義的な反逆ととるか、紙一重だとも言えます。

そして冥王星は根本的な刷新、後戻りのできない変容をせまる星です。1929年に起きた世界恐慌の翌年に発見されていますが、実はこの時も数年にわたってカーディナルクライマックス、しかも1932年から1934年にかけて計5度にわたり、冥王星と天王星が90度の角度をとっていました。冥王星は対象の内奥深くまでその力を及ぼし、イモムシがさなぎを経て蝶へと変えていくように、不可逆的な変容を引き起こします。軍部の動きが過激化していき、太平洋戦争への道を突き進み始めたこの期間。冥王星は蟹座にありましたから、蟹座の本質である「心理的な共通基盤の拡大」にもとづき、国家や民族、領土と連動した集団意識において根本的な変化が進行したと言えます。このあたりは、軍部の暴走が「大衆の支持」をうけて加速化していったことと連動しているかも知れませんね。

 

60年代の4つのキーワード

さて、こうした二つの天体の組み合わせですが、日本の直近の歴史でもっとも似たムードを感じるのは、冥王星と天王星が乙女座で合(0度)を形成していた1960年代でしょう。厳密に言えば、正確に合を形成したのは65年10月なのですが、この場合、前後数年に渡ってゆるやかに重なっているので、広く60年代に見られる天王星&冥王星的な特徴として取り上げておきたいと思います。キーワードは、「公害」「インフラ整備」「戦争」「学生運動」の4つです。

 

☆産業公害

50年代半ばから73年頃まで日本は高度経済成長期にありました。特に60年代初頭までは重化学工業化が急速に進められ、60年代に入る頃には生活も豊かになってきました。しかし急激な工業化の反動として、工業施設が建てられた地方各地において産業公害が多発していきます。例えば、四大公害病のうちの2つを占める水俣病は、1956年に熊本にて発症のピークを迎え、59年には原因は究明されていたとされていますが、圧力による問題の封殺により、リアルタイムでは国民にまったく公表されませんでした。その後、やっと政府が認めたのはなんと1968年。この遅れのために、65年に起きた新潟水俣病を防ぐことができなかったと言えます。また、大戦中から発生していた富山のイタイイタイ病についても、政府が認めたのは68年でした。

こうした環境汚染の原因となったような強力な有害物質や、プルトニウムや放射能などの目に見えない毒は冥王星に対応しています。目に見えないがゆえに表沙汰にもなりにくく、また、大衆操作や権力による問題の封殺の対象にもなりやすい訳です。ある意味、そうして内側へ閉塞しかかっていた冥王星の負の面を、天王星がショック療法によって外側へと暴露するという形で星の原理が働いていたとも言えます。ただし当時こうした公害問題が根本解決を迎えることはなく、公害犠牲者としての認定の可否や補償額などに話が向かう一方、原因そのものについてはやはり「責任の所在」という形でしか扱われることはなかったようです。このあたりの流れは、原子炉の放射能漏れに対する情報封鎖から始まった政府の一連の対応などと重ねてしまいますね。

☆インフラ整備

首都高および新幹線が開通した64年に続き、66年にはマイカー元年、69年には東名高速が開通したりと、60年代はインフラの大量整備が推し進められた時代でもありました。理由としては、まず64年の東京五輪が大きな焦点となったこと。そして、62年に東京が世界初の1000万人都市となり、加速度的に郊外へと都市圏が広がっていったため、早急な交通網の整備とともに首都への過度な人口集中を避ける必要性が出てきたことが挙げられます。

そしてこの後者の理由背景は、じつは現代の日本社会が抱えている問題とも直接つながっています。というのは、当時、東京一極集中状態を維持するためには膨大な電力供給が必要となり、当時その活路として導入されたのが、原子力発電所だったからです。日本で最初の原子力発電が行われたのは1963年。そして、茨城県東海村につくられた最初の発電所・東海発電所が営業運転を開始したのが1966年でした。それから50年あまりの月日が流れてようやく、私たちは首都圏から遠く離れた場所に危険性の高い原子力発電所があり、それが地方の犠牲のもとに成り立っているという事実に改めて目を開かされているように感じます。

実際、福島や新潟など現在は停止中の原子力発電所で発電された電力は、そのほとんどが首都圏へ供給されていました。そして、水力発電や火力発電なども東京電力管轄外である長野県や福島県に依存しています。こうした東京の繫栄・維持と地方の犠牲が表裏一体であるという前提に立った上で、現在の原発再稼動をめぐる議論を鑑みるとき、冥王星と天王星の組み合わせは実に示唆的です。

たとえば、冥王星は独占や独裁、権利の占有に進みやすい権力のシンボルですが、この場合どこの誰がその権力なのでしょう?再稼動を決定した野田政権?東京湾岸での原発建設プランを打ち出した石原都知事?それとも首都圏に住みながら地方の原発再稼動に反対し、東京湾岸での原発建設にも反対を唱える人々?あるいは人口の集中そのものや数の論理でしょうか。

そんな見えにくい核心に対し、天王星は「散らす」という形で働きかけます。天王星は限定された空間やローカリティーの壁を崩し、できるだけ広い範囲へと物事を分散させ、分離や独立を促す星。つまり権力がどこの誰であるにしろ、エネルギーの需給に対しては何らかの形でこれまでの一極集中を分散させていくことが課題になってきそうだということ。あるいは、生きていくのに本当に必要な「インフラ」とは自分にとって何なのか?ということを改めて見つめなおしていく必要性を表しているのかも知れません。このあたりは、双子座木星の「交易ルート」ともリンクする話ですね。

 

次回に続きます

 

 

sugerSugar(シュガー)
1983年7月31日生。慶應義塾大学哲学科卒業後、ベンチャー企業の営業職を経て、より多くの人に占星術の面白さを伝えるべく、占い師の道へ。現在、対面鑑定・講座・執筆などを中心に活動中。男性占い師ユニットNOT FOR SALEメンバー。

 

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